鹿児島  舞硝 切子

 

5つの段階で彫りの深さの文様を表現する技法

ガラス作家の頌峰氏が手掛ける作品の数々は、一つ一つにテーマがあり、見るものを誘惑するかのような作品となっています。
現在、頌峰氏の作品は、国内だけでなく海外からも高い評価を受けています。
薩摩切子とは、江戸時代末期(幕末期)のごく短期間の中で薩摩藩による集成館事業の一環の中でつくられたカットグラスで、優れた技術と美術的価値から「薩摩切子」として親しまれています。
現代に輝きをもたらす薩摩切子ですが、今に至るまでには様々な紆余曲折がありました。

明治十年に勃発した西南戦争の頃に一時技術が途絶えてしまいますが、昭和59年島津家(島津興業)により、約100年の時を経て復元されました。
翌昭和60年には鹿児島市磯に島津家により薩摩ガラス工芸を設立。
そして、そのまた翌昭和61年には、新たに薩摩ガラス工芸の本工房を創築し、本格的な復元事業が開始され今に至ります。

薩摩切子の最大の特徴は、色があいまいが故に美しいグラデーションの「ボカシ」、そして最大で5つの段階で彫りの深さの文様を表現する技法です。
何段階も手を入れられてから出来上がる薩摩切子の鮮やかさは、まぶしいほどの輝きを放っています。