日置 鹿児島 南洲窯

 

ろくろを回しながら板で叩いて仕上げていく「叩きの技法」

鹿児島県日置市日吉町にある日置南洲窯は、昭和 53 年に開窯されました。
西郷隆盛の曾孫にあたる西郷隆文氏、弟の等氏が、日置島津家の菩提寺である吉富山大乗寺跡に築窯して作陶されています。
西郷隆文氏が力を注ぐ作品が、ろくろを回しながら板で叩いて仕上げていく「叩きの技法」による作品です。ただ綺麗なだけでなく、内から外に押し出す力、針を刺せば風船が割れるような勢いのある形を理想とし、思い描く作品となるよう真正面から焼き物と向かい合い技術の鍛錬に励まれています。

一方で、新しい薩摩焼として粘土と漆をコラボした作品、「薩摩陶胎水指」など、新しい発想でも作陶をされています。
西郷隆文氏は、鹿児島県陶業協同組合の理事長としても積極的に活動しており、薩摩焼の普及・発展に力を注いでいます。
また、平成 23 年には現代の名工にも選ばれ、先人たちの伝統を受け継ぎながらも、新しい薩摩焼の可能性に挑戦し続けています。